森邸 増築兼葺き替え工事 2

森邸葺き替え工事続編です

この屋根のすごい所はタルキの太さです。

昔はタルキと言えば18角(1.8寸ですので55mmくらいかな)が常識でした(でもそれはずいぶん前か・・・18角がわかるひとは定年組かも 笑)
そして今では2寸角(60mm角)が普通でちょっと太いと2寸*2.5寸(60mm*75mm)が定番です。ところがこの屋根のタルキは2.5寸角のタルキが普段より狭いピッチ1尺間隔に入っています。雪の多い大和町とはいえ、こんな太いタルキはめったに見ません。積雪が多いときにはまず軒先が折れないように葺きだし部分の雪を降ろすのですが、この家は軒先の折れる心配は皆無です。軒先が折れるときはきっと家全体がぺしゃんこになるときです。笑
この家のちょっと変わっているところ

外部が「べにがら塗り」になっています。
郡上では「べにがら」と言いますが、「べんがら」というのが一般的のようです。この地方では昔は新築の家はほとんど「紅がら塗り」でした。そして今でも時々こうした新築の家を見ることができます。
昔と違うのは、昔は家の内部まで全て「紅がら塗り」だったのが、現在では塗っても外部だけ塗るのががほとんどです。そしてもうひとつ違うのは、むかしは「紅がら」(べんがら)の粉末を水(お湯)で溶かしそして墨などで元の朱色よりすこし黒い色に色合わせをして塗りました。(紅がらは元々はほとんど朱色ですのでもう少し黒い落ち着いた色合い(この写真の色よりははるかに赤い色ですが)にします。近畿地方近江八幡あたりでも紅がら(この地方ではきっとべんがらというんでしょうね)塗の家がよく目につきますが、この地方は郡上の紅がら塗より朱色に近い色合いに塗られています。
そして今現在では塗料メーカー?から発売されている木材用の防腐剤入り着色材「べんがら 弁慶」というものが一般的に使用されています。
 なぜ「べにがら」を塗るようになったのかいろいろな説があるようですが、郡上では江戸時代に一般庶民は檜の材料を使用することを禁止されていた為、檜の材料を杉に見せかけるために「べにがら」を塗ったのが始まりという話を聞きました。ネットで「べんがら」を検索したところ、「べんがら」の始まりについていろんな説が記してありましたが、郡上説は見当たりませんでした。たぶんどこかの大工さんにから教わった話ですので真実かどうか?です。とりあえずネット上では初めての説です。 笑
興味のある方はぜひ「べんがら」を検索してみてください。
ついでにもう1枚

1f屋根の登り壁部分は暴風雨時にもっとも雨漏りの故障が起きる部分です。こんな部分はゴムシートを張り付けます。これで万一雨が瓦をくぐってきても大丈夫です。企業秘密ですので業者の方は見ないでください。笑
                           miyuki  

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